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アーサー・フィードラー(1894〜1979)は、ボストン生まれベルリンに留学し ヴァイオリンを学んだ後1914年のボストン響に入団。1924年にボストン響の有志でボストンシンフォニエッタを結成、1929年にポップスを中心としたエスプラネード・コンサートを組織、その後ポップス一筋50年。 現在に至るまで連綿と続くボストンポップスの名は、アメリカのどんな田舎でも知らない人がないほどになりました。録音もバッハ、チャイコフスキーからビートルズやカーペンターズにいたるまで実に膨大。いずれもボストン響の腕利きの奏者によるゴージャスな演奏が楽しめる一品です。 ・ボストン・ポップス管弦楽団 pf:アール・ワイルド (1956年 ボストン・シンフォニーホール スタジオ録音 ) 一時期バーンスタインやプレヴィンの演奏と並んでこの曲の代表盤と言われた録音で、 いわば50年代、60年代の戦後の上昇気分にあったアメリカを代表するようなゴージャスな演奏。グローフェの編曲の各所に手を加えた厚塗りのオーケストレーションでも重くならないのはさすがです。練習番号2の前のクラリネットトレモロにフルートを重ねたり、3の前ティンパニのトレモロを三連譜としたりと厚め厚めの演奏。 アンダンティーノのベルも通常良く使われるグロッケンではなく、本当のチューブラベルを使用しています。オケもうまいし、華麗なワイルドのピアノも達者。有る意味で説得力のある演奏ですが、このスタイルでの演奏は既に時代遅れだと思います。 モートン・グールド(1913〜1996)ニューヨーク生まれ6歳から作曲を始め、 10代でピアノリサイタルを開いています。放送関係を中心に数々の作曲や編曲、そして指揮者をこなした才人でした。グールドの作品ではアメリカンサリュート(ジョニーが凱旋するとき)や吹奏楽のための「ジェリコ」などがありますが、かつてテレビ朝日系の番組、日曜洋画劇場のラストに流れていたラフマニノフのピアノ協奏曲風の曲もコール・ポータの曲をグールドが編曲したものでした。 録音も非常に多く、シベリウスやアイヴスといったシリアスな作品から自作や映画音楽まで実に多岐にわたっています。 ・モートン・グールドの管弦楽団 ピアノ;モートン・グールド (1955年 2月9日 スタジオ録音) ガーシュインの自作自演が入った2枚組CD「ヒストリック・ガーシュイン」に収録された演奏、録音はモノラル。ピアノのための3つの前奏曲や「ポーギーとベス」組曲(グールド編曲)といったグールドの演奏が入っています。 この演奏で印象に残ったのは、冒頭のソロクラリネットのまるでサイレンのようなキーンという音色です。その後の節回しの微妙な崩し方も実に粋でした。 前へ前へと軽やかに進む活気溢れる演奏。グールドのピアノも表情豊かで好ましいものでした。なおこの演奏では通常埋もれがちなバンジョーの音が良く聞こえます。 これがまた良い雰囲気でした。
(2004.02.13)
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