その24 / 「エピローグ。これからのタコ5」 結局エアチェックテープも含めて、今回聴くことができたのは80種ほどでした。 録音された演奏の全貌を捉えることはできていませんが、今まで盤として発売されたのはおそらく100種類前後だと思いますので、主要な演奏はほぼ聴けたと思います。 その中でどうしても入手できなくて、試聴を断念せざるを得ないものがありました。 例えばロシア国外録音第1号であるストコフスキーの第1回録音、アメリカの実力者デプリーストや、チェリビダッケ&ミュンヘンフィルのライヴなど。 また聴いたにもかかわらず時間が足りずに紹介できなかった演奏の中には、 インバルやアシュケナージ、マリス・ヤンソンスなど興味深い演奏もありました。 以上いろいろ聴いてみて、私が非常に感銘を受けた演奏が3種類あります。 それはミトロプーロス&ニューヨークフィルとムラヴィンスキー&レニングラードフィルのウィーンでの録音。そして紹介に間に合いませんでしたが、スピヴァコフ&ロシア・ナショナル管の3種類です。 ミトロプーロスとムラヴィンスキーについては既に書きました。 ヴァイオリニストとして各種コンクールの入賞歴を持つスピヴァコフの演奏は、昨年のライヴ録音。楽譜に極めて忠実でいながらロシア的なローカル部分を隠し味として持ち、過度な情に溺れず、緊張感を終始保ち叙情性と輝かしさがバランス良く共存した未来志向の爽やかな名演でした。 今まで指揮者としての力量はあまり知られることのなかったスピヴァコフですが、今年、急病のため来日できなくなったスベトラーノフの代役として急遽来日が決定しました。 今後21世紀を代表するロシアの指揮者となるかもしれません。 |