その1 (Introduction) 今手持ちのタコ5の録音をスコアを見ながら、いろいろと聴き比べています。 が、実際聴いてみると、演奏によって細部の違った部分が以前トロンボーンの田村さんが掲示板で指摘した部分以外にもいくつかありまして、特に終楽章は、テンポ設定や音譜の改変など、あまりにも不思議な点が多すぎて、演奏比較をなかなか書き込めないでいます。どうやら作曲時や初演時の複雑ないきさつが絡んでいるようです。 この曲は、今世紀(これもあとわずかですが)の作品ということもあって、私には歴史の淘汰の時期を経て、解釈のスタンダードが確立されたのが、ごく最近のような印象があります。 私の手持ち50種ほどの録音を聴いた印象として、大きく以下の3つの傾向に分けてみました。 ・1939年の出版譜以前の、おそらく作曲者自筆原稿からの筆写譜による ・ソ連国外の放送初演者ロジンスキー(初演時は作曲者自筆原稿からの筆写譜を使用)から始まる、主にアメリカ系の指揮者若しくはオーケストラによる演奏の系譜。 ・上記に該当しないもの。 完全に私の独断と偏見でいささか乱暴な区分けですが、以後この流れに沿って紹介していきたいと思います。 【初演後数年の演奏の記録】 ・1937年11月(初演)…ムラヴィンスキー指揮/レニングラードフィル |