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「ビゼーの1番を聴く」8・・・プラッソンとプレートル
今回は、現在も盛んに活躍するフランスの名指揮者二人の演奏です。

「ミシェル・プラッソン(1933〜)」
パリ生まれ、1962年ブザンソン国際指揮者コンクールに優勝。バーンスタイン、ストコフスキーに師事、1968年からトゥルーズ管弦楽団の音楽監督に就任しこのオーケストラの実力を高め、市立から国立のオーケストラに昇格させています。1993年からドレスデンフィルの音楽監督。

・トゥルーズ・キャピトル管弦楽団
 (1993年 5月 録音)
プラッソンはフランスの主な作曲家の秘曲を数多く録音していて、ビゼーも「アルルの女」
の全曲や珍しい管弦楽曲の録音があります。
この録音は、早いテンポ、シャープで鋭角的な演奏。ところどころ線の細さを感じさせる部分もありますが、高水準の演奏だと思います。特に第2楽章ののびやかで暖かな響きは南欧の気分を彷彿させ優れた出来だと思いました。幾分狂気を帯びたフィナーレなどなかなかのもの。


「ジョルジュ・プレートル(1924〜)」
フランスのヴァジエ生まれ、クリュイタンスに師事。現在活躍するフランスの指揮者の中ではジャン・フルネと並んで巨匠的存在です。プレートルは、ミラノ・スカラ座、メトロポリタン歌劇場、ウィーン国立歌劇場などの一流の歌劇場で若いころから活躍し、特にマリア・カラスといくつかの優れたオペラ録音を残しています。
いかつい風貌とがっしりとした体格、なんとなく外見からは繊細さとは程遠イメージですが、コンサートで聴かせるフランス物はなかなか洒落た音楽を聴かせます。

・ バンベルク交響楽団
(1986年 スタジオ録音)
バンベルク響という現在最もドイツ的な音色を残しているオケの起用ですが、フランス的な洒落っ気もたっぷりで、おおらかな風格も漂う素晴らしい名演だと思います。
もともとプレートルはプーランクなどの軽妙な曲を若い頃から得意としていました。
この演奏も、愉悦感に満ちた第1楽章、おおらかな第2楽章、幾分早めのテンポをとった
第3、第4楽章など各楽章のバランスも良く、ビーチャム以来の名演といえます。
バンベルク響の幾分くすんだ響きもフランスの田舎の匂いを彷彿させ、良い効果を
上げています。
(2002.07.11)
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