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今回はアメリカのメジャーオケによる二つの演奏です。 「ユージン・オーマンディー(1899〜1985)」 ・ フィラデルフィア管弦楽団 (1973年 スタジオ録音) これはなかなかの名演奏だと思います。大編成のオケを使いながらゆっくりとしたテンポ、 ソフトでエレガントなフランス風の演奏でした。第2楽章がワルツ風の3拍子であることをこれほど実感させる演奏はありませんでした。同じ楽章の後半部分、チェロとベースの細かな動きに次第に楽器が加わっていく部分の絶妙なバランス感覚は、オーマンディーの職人的な技とフィラデルフィア管の優秀さのデモンストレーションです。 ビゼーの交響曲は、「水晶宮」という名で、名振り付け師バランシンによって振りつけられたバレエがきっかけとして有名になりましたが、特にこのオーマンディの演奏は、各楽章ともそのままバレエ音楽として通用するほどこの曲の舞踏的な一面を強調した演奏でした。 「レナード・バーンスタイン(1918〜1990)」 ・ ニューヨークフィルハーモニック (1963年 5月 スタジオ録音) 大編成のオーケストラをヴィヴィッドにドライブした豪快な演奏です。 古典的な側面よりもロマン的な部分を強調した演奏で、フィナーレなどシューマンの交響曲のスケルツオ楽章を彷彿させる演奏です。 バーンスタインの演奏を聴くと、この交響曲がブラームスやシューマンの交響曲に匹敵するような立派さで鳴り響くので不思議な気がします。
(2002.07.20)
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