今回はスコティシュナショナル管との全集録音の演奏です。第2番はこのコンビでの2度目の録音となります。 ・ スコティシュナショナル管 (1982年 ロンドン スタジオ録音) シャンドスへの交響曲全集録音。同じオーケストラとのEMI録音にあったローカル的な味わいをそのままに、より洗練された曲への深い共感が感動的な名演を生み出しました。 第一楽章から自然への大きな賛歌を歌い上げます。76小節のmpは最弱音として大きくクレシェンドをかけていき、ダイナミックレンジも大きくゆったり雄大に進行。 次のクライマックスの予兆として238小節のホルンにアクセントを付加していました。 第二楽章はじめのピチカートも確信に満ちたもの。寒々としたファゴットの響きは荒涼とした北の大地を思わせます。Andante sosutenutoの淡い響き。117小節では弦楽器のデクレシェッドにかぶるティンパニのクレシェンドの絶妙なタイミングと余韻も印象的。 第三楽章も激しさの中に純で洗練された美しい響きで聞かせ。柔軟なリズムの饗宴の中に舞曲の要素をさりげなく忍ばせているのが見事。 第四楽章も自然な流れの中に悠然と壮大に流れます。186小節のトロンボーンのmp指定をmfとしつつ再現部へ向かって盛り上がります。輝かしい終結部を目指してしだいにテンポを速め、246小節ではトランペットを強調。管楽器からヴァイオリンに旋律が受け継がれる295小節からはテヌートで進みます。音楽は次第に巨大な実体を見せながら最後の大団円に持って行く手腕は見事なものでした。 ギブソンが育て上げたスコティシュナショナル管は、指揮者と一体となり素晴らしい演奏を繰り広げていきます。男性的な力強さと洗練の絶妙なバランス。 今回聴いたのは、定額制のインターネット音楽配信NML(NAXOS MUSIC LIBRARY)http://ml.naxos.jp/Introduction.aspxからです。 好きな時に好きな音楽を聴ける(しかも全曲)このようなネット配信を聴いていて、部屋に音盤を溜め込んでいる旧世代の人間としてはいろいろと考えさせられました。 今回の視聴環境はパソコンからのヘッドフォン視聴(ヘッドフォンはゼンハイザーのHD414)で、スピーカーの前で大音量で聞く場合とは自ずと異なりますが、日常普通に音楽を聴くにはこれで充分かもしれません。 (2009.11.12) |