・スイスロマンド管弦楽団 (1947年6月30日、7月1日 スイス ジュネーヴ スタジオ録音) 1947年はブラームス没後50年の記念の年で、この年にクナッパーツブッシュは戦後の活動を再開、ミュンヘンフィルのブラームス没後50年記念コンサートでは交響曲第2番と3番を演奏しています。 DECCAへのスタジオ録音。フランス系のオケの軽い響きを生かしながらのスピード感のある演奏でした。 クナとしては個性を抑えすっきりフォルムを整えた、余所行きの演奏のように思います。 オケの反応が当初は鈍く第一楽章では管楽器のミスが頻発、275小節めで3番トロンボーンが1小節早く入る事故発生。終盤のホルンソロもコケたりしています。 通常ならば録音し直しです。 第二楽章から次第に興に乗りオケの澄んだ軽い音が良い効果を上げていました。33小節の8分の12拍子での中間部の浮遊感も美しく、92小節のコーダでの決然としたパウゼも印象的。曲が進むにつれて停滞感が自然に消えていくのが面白いと思います。 第三楽章もすっきり速いテンポ。218小節のヴァイオリンの下降音型の生かし方や最後の部分235小節のオーボエのフェルマータから弦楽器が入る間が絶妙です。 速めのテンポで開始する第四楽章はミュンヘンフィルの演奏とは異なるスピード感とスリムな響きが特徴。第四楽章217小節の木管楽器のフレーズの受け渡しは不揃いです。 コーダの急加速がなければとてもクナの演奏とは思えないほど。 今回聴いたのは、Archpelから出ているCDです。高音にキンキン感があり、レンジの狭さが気になりました。 (2013.11.22) |